『ヤング日経』事前公開収録「Z世代が求める楽しいECサイトとは!?」【イベントレポート】

ヤング日経にて放送予定の特別番組「Z世代が求める楽しいECサイトとは!?」

2022年1月24日、日経新聞が運営する音声メディア『ヤング日経』の特別番組に出演しました。Z世代のデジタル活用は、それ以降の世代とは大きなギャップがあります。例えば、「購入時の検索方法」において、通販サイトよりInstagramと答えた人が多いという調査結果があります。次代の消費を担うZ世代がECサイトに何を求めているのか、その世代が求める本音に耳を傾けてみませんか?そこにECサイトの顧客体験価値の本質的なヒントが隠されているはずです。

■開催概要
開催日:2022年1月24日(月) 17:00〜18:00
主催:awoo Japan株式会社
協力:ヤング日経

■出演者
・齋藤 有紗 ヤング日経水曜ラジオパーソナリティ
・川添 隆 コマースプロデューサー/Eコマース先生
・吉澤 和之 awoo Japan 日本事業開発責任者
・(司会) 藤井みりか

複数アカウントは当たり前! Z世代のSNS事情

『ヤング日経』のパーソナリティである齋藤 有紗さんは1999年生まれ(現在22歳)。

「齋藤さんが一番使っているSNSは?」「複数アカウントをどう使い分けている?」など、Z世代のリアルなSNS事情について、ミレニアル世代からの質問にお答えいただきました。

  • Z世代:1996年から2015年の間に生まれた世代   *諸説あります
  • ミレニアル世代:1980年から1995年の間に生まれた世代  *諸説あります

Q1.一番使っているSNSは?

齋藤さん:Instagramです。あとはTwitterとYouTubeが主流です。TikTokはもう少し下の世代(高校生)が使っているイメージですね。

Q2.裏アカは持っていますか? どう使い分けていますか?

齋藤さん:はい。Instagramでは3つのアカウントを使い分けています。表アカウントが2つ、プライベート用の裏アカウントが1つです。趣味で分けたり、少数の友達だけとつながるためにアカウントを分けたりしています。Twitterも同じような感じで使い分けています。

また、それぞれのアカウントでは、投稿の内容だけではなく保存する内容も変えています。「このアカウントでは飲食店をメインに保存しよう」「購入するものはこっちのアカウントで」という風に使い分けています。

Q3.Instagramで知った商品について、友達と会話することはありますか?

齋藤さん:はい、インスタで知った商品を友達とシェアします。「これいいよ」「今度ここに行ってみようよ」「この子にこれをプレゼントしようよ」という風に使います。SNS上のデータを元に、買うものや行く場所を決めている感じです。

Z世代は慎重派。商品をSNSで認知→実店舗で確認し、ネットでレビューを見て購入する

Z世代の情報収集は圧倒的にInstagramが多いという調査結果があります。しかし、齋藤さんによると、Instagramで知った商品をそのままInstagram上で購入することはあまりないようです。

商品認知から購入までのステップ(齋藤さんの例)

  1. インスタグラム(SNS)で商品を認知
  2.  ネットとリアルで情報収集し、比較・検討する
    1. Google検索
    2. SNSでハッシュタグ検索、インスタライブ閲覧
    3. ECサイトで商品詳細やレビューを確認
    4. リアル店舗で実物を確認、試着など
  3. ECサイトまたは実店舗で購入

Q4. マメに情報収集をされるんですね

齋藤さん:はい。ちゃんとレビューの情報などを見てから買うようにしています。SNSでハッシュタグ検索(例:#ユニクロ購入品)をして、他の人が実際にどのように使っているかを見てから購入したり。お店に行って試着できるのがベストですけど、ECサイトのみのブランドなどは、インスタライブを見て全体像や素材感をチェックしてから買います。アーカイブも全部チェックして、自分と同じくらいの身長の人が着ているのを見て「これなら私でも着られそうだな」と。「お金を出すならいいものを選びたい」という気持ちが強いんだと思います。

藤井さん:私(ミレニアル世代)は「調べるのがめんどくさい」と思っちゃいます。だからついつい衝動買いしてしまうことも多いんですが、Z世代の方は、検索することは「面倒だな」と思わないのでしょうか?

齋藤さん:普段からInstagramやTwitterを見る習慣がついていて、ずっと見ているんですよ。情報収集が当たり前というか、習慣化されているんですね。Instagram見て、Twitter見て、YouTube見るのがルーティーン化されています。でも私の場合、5000円くらいまでなら、衝動買いすることもありますね。

 

PR投稿には敏感。『疑いフィルター』発動

次のトピックは、『インフルエンサーマーケティング』。SNS上で影響力を持つユーザーに商品を紹介してもらうことで認知拡大や購入促進を図る手段です。しかし、齋藤さんは「PR投稿をみると『疑いフィルター』がかかる」と言います。

Q6.PR投稿と自然な投稿では、受け取り方は違いますか?信頼している人がPR投稿した場合は?

齋藤さん:はい、違います。信頼している人がPR投稿した場合も慎重になりますね。「この商品は大丈夫なのかな?」という気持ちになります。

川添さん:日本人は広告に対して慎重派だと言われています。また、『SHIBUYA109 lab.』による研究で「Z世代は購入に慎重で、失敗したくないという傾向がある」という結果がある通り、SNSでバズってるからといっていきなりポチることはないんですよね。

我々ミレニアル世代は「若い人はSNSを見てすぐ買うんでしょ」と思いがちですが、実際は全然違うということを認識しないといけません。

吉澤:PR投稿で知った商品を買ってもらうには、レビューやコンテンツで信頼感をカバーすることが必要ですね。

 

Z世代がECサイトに求めるものは?3つのヒント

「普段、どんなECサイトを使っているか?」という質問に対し、齋藤さんは「ECサイトは、購入の最終段階にしか見ない」と回答しました。

では、リアルとネットを行き来してようやくECサイトに辿り着いたユーザーに対し、ECサイトは何を提供したら良いのでしょうか? Z世代がECサイトに求めるものとは?

齋藤さんにお話を伺う中で、3つのヒントが見つかりました。

#1 ハッシュタグ検索

吉澤:Z世代からすると、キーワード検索よりもハッシュタグ検索が普通ですよね。

齋藤さん:SNSではハッシュタグを押していくことで「あの投稿も面白そうだな」と延々と見続けることができます。ECサイトでもハッシュタグ検索ができれば、自分に合うものが見つかるのかなと思います。

吉澤:どんなハッシュタグがあったら良いですか?

齋藤さん:自分に合うものが欲しいので、「身長」「骨格」「パーソナルカラー」といったハッシュタグですね。商品自体の情報はもちろん、好きなファッションスタイル環境保護の指向性など、さまざまな切り口のキーワードがあれば、次の検索(サイト回遊)に繋がると思います。

#2 商品の見つけやすさ、検索しやすさ

ーー探している商品が出てこないとストレスですよね。(吉澤)

齋藤さん:わざわざECサイトを訪れたのに、目当ての商品が見つけにくかったり、買いにくいUIだったりすると、「このサイトはもう見るのはやめよう」というふうになってしまうことも多いです。サイトの使い勝手が良い方がいいと思います。

#3 「私に合うもの」を提案してくれるECサイトを使いたい

ーーどんなECサイトだったら、情報収集に使いたいですか?(吉澤)

齋藤さん:たくさんの商品が並ぶ中で「自分の好みに合うもの」「自分が欲しいもの」が提示されていたら「こんな新しいものがあるんだ」とワクワクしながら使えると思います。

今見ている商品と似たものが表示されたり、その商品に合うアイテムが表示されたらトータルコーディネートで買っちゃいそうです。

 

まとめ:ECサイトはZ世代に向けて何をすべきか

 

Z世代が商品を購入するとき、「自分にぴったり合うものが欲しい」「せっかくお金を出すならQOLが上がるものが欲しい」という思いが根底にあることがわかりました。では、ECサイト側は何をすべきか? というテーマに対し、大きく3つの答えが浮かび上がりました。

  • SNSのエッセンスを取り入れる(ハッシュタグ検索など)
  • 商品検索、購入のUI改善
  • Z世代の細かいニーズを捉えて提案する(骨格やパーソナルカラーなど)

ECサイトの利便性を高めると同時に、Z世代が求める細かいニーズをきちんと捉えて最適な商品やサービスを提案する。これが、今後のECサイト運営のヒントになるのではないでしょうか。