AIが検索のひとつの選択肢になりつつある今、「SEOはもう不要なのでは?」という声を耳にすることも増えました。
awooチームは2025年7月23日〜25日にタイ・バンコクで開催された、Google主催のアジア太平洋地域初となる技術カンファレンス「Search Central Live Deep Dive」 に参加。
本イベントはGoogle検索チームが主導し、世界各国からSEOの専門家が集まりました。検索の仕組み、AIとコンテンツの関係、クロールやインデックスの考え方、多言語SEOなど、検索の根本を深掘りする3日間でした。
この記事では、現地で得た一次情報をもとに、AI時代でも変わらないSEOの本質と、これから重視すべきポイントを整理します。
コンテンツ
3日間のサマリー
- Day1【クロール編】:SEOの時代は終わった?Google公式イベントで語られた、AI検索時代の新たなSEO戦略
- Day2【インデックス編】:インデックスが勝敗を分ける! テクニカルSEO×JavaScript×多言語サイト戦略 完全ガイド
- Day3【検索表示とランキング編】:品質とランキングの真実 。 ユーザー意図から紐解くAI時代の新SEO戦略
AI検索時代に押さえておきたいSEO6つのポイント
1. AEOやGEOは特別なものではない。やるべきはSEO

「AI検索の時代が来たら、従来のSEOを捨ててGEOやAEOに切り替えるべき?」
これはここ1、2年でよく耳にする質問で、「SEOはすでに時代遅れ」という声さえ少なくありません。しかし、イベント初日、Google検索チームのGary Illyesは冒頭で明言しました。
「これまで通り、SEOをちゃんとやってください。それが基本です。」
彼が強調したのは、AIO(AI Overviews)、AI Mode、Geminiなど、一見全く新しいAI検索体験に見えるものでも、背後では同じ技術プロセスに依存しています。
クロール → インデックス → 情報抽出 → ランキング → 表示
つまり、AIは検索の基盤構造を変えていない。変わったのは検索結果の見せ方です。
一方で大きく変わったのは、検索結果ページ(SERP)の構成です。
AI Overviews、画像、動画、People Also Ask、ナレッジグラフなど、表示枠がかなり増えています。その結果、「何位か」よりも、どこに、どれだけ表示されているかが重要になっています。SEOのゴールは、順位から存在感に変わりつつあります。

これはコミュニティエキスパートの見解とも一致します。
「SEOの目標はPosition(順位)からPresence(存在感)へシフトした」
💡 awooの視点
AIはSEOを置き換えたわけではありません。
むしろ、「SEOの本当の価値は何か」を改めて考えさせる存在だと感じます。
これまでSEOの成果は、順位やクリック数といった直線的な指標で測られることが一般的でした。しかしAI検索が広がる中で、SEOの役割は「順位重視」から「影響力重視」へと変わりつつあります。
重要なのは、単に何位に表示されているかではありません。
ブランドとして、さまざまな場所で 見られ、言及され、引用され、信頼されているか。その積み重ねが、最終的にユーザーの選択に影響します。
言い換えると、AI検索時代のSEOは、単なる集客施策ではなく、ブランドの影響力を蓄積するための資産づくりです。
SEOの評価指標も、「サイトの数値」だけでなく、「ブランド認知」や「信頼性」といった視点まで広げて考える必要があります。
2. キーワード思考はもう限界?ユーザーの意思決定はより複雑に

これまでSEOは、「ユーザーがどんなキーワードで検索するか」を起点に、その裏にある意図を推測し、対応するコンテンツを用意するのが一般的でした。
しかしAIOやLLMの登場によって、検索の方法自体が変わりつつあります。ユーザーは短い単語を入力するのではなく、一文や一つの質問、さらには状況に応じて、検索プラットフォームとやり取りするようになっています。検索は単発の行為ではなく、対話を通じた意思決定プロセスに近づいています。
Googleが共有したデータによると、18〜24歳のユーザーはAIOに対する満足度が特に高いそうです。AIが情報をまとめて提示し、複雑な疑問にも素早く答えられる点が評価されています。
また、ロングテールクエリの伸びは短いキーワードの約1.5倍となっており、検索行動がより複雑になっていることがわかります。

こうした変化により、「1つのキーワードや1ページでニーズに応える」という考え方は成り立ちにくくなっています。コンテンツ戦略も、キーワード中心からユーザーの課題・質問中心へと切り替える必要があります。
そのためには、トピッククラスタ(Topic Cluster)を設計し、ユーザーの検討・意思決定の流れ全体に答える構成を作ることが重要です。そうしたコンテンツこそが、AIに評価され、引用されやすくなります。
💡 awooの視点
「キーワード」を軸にした最適化は、今もSEOの基本であることに変わりはありません。ただし、AI検索が広がるにつれ、それだけではユーザーの複雑な検索ニーズをカバーしきれなくなっています。
今後のコンテンツ設計では、「キーワード導向」から「状況や課題導向」へと視点を移すことが重要です。
たとえば「Bluetoothスピーカー」をテーマにする場合でも、
- 価格帯
- レビュー・評価
- 家庭用かアウトドア用か
- 人気モデルの比較
といったように、ユーザーが検討する文脈ごとに情報を整理する必要があります。
一方で、実務上の大きな課題もあります。これまでは検索ボリュームをもとに需要を判断し、コンテンツを作るかどうかを決められました。しかし「ユーザーの質問」を起点にすると、そこから派生する検索文は多様になり、具体的な検索ボリュームが見えにくくなります。
3. サイトの土台を固める:クロールとインデックスがスタート地点

AI検索がどれだけ進化しても、Googleのランキングは「見つけてもらえるか」「正しく理解してもらえるか」から始まります。その前提となるのが、サイトの技術的な健全性です。
イベントでは、Googleチームから「Googlebotの基本的な動きは変わっていない」という点がはっきりと共有されました。検索の流れは今も、クロール → インデックス → ランキングのフローにしたがっています。
つまり、サイト構造が複雑だったり、クロール効率が悪かったり、エラーページや重複コンテンツが多かったりすると、どれだけ良いコンテンツを作っても、そもそもランキング競争に参加できない可能性があります。

特に、AIクローラーが頻繁にページを巡回し、より多くの文脈情報を理解しようとする今の環境では、サイトの土台がしっかりしているかどうかが、これまで以上に重要です。
今回のイベントでは、実際の事例も紹介されました。
ある大手航空会社のサイトでは、数十万ページのコンテンツを公開していたものの、ページ同士のつながりがほとんどなく、十分にインデックスされていませんでした。そこで「近隣都市へのリンク」や「季節ごとの路線ページ」を整理して内部構造を見直したところ、検索での露出が大きく伸びたそうです。
💡 awooの視点
サイトコンテンツが「血肉」だとすると、技術SEOは「骨格」です。
土台が弱いままでは、どれだけコンテンツを増やしても、AI検索の土俵に立つことはできません。
分かりやすいサイト構造の設計、意味のないJavaScriptレンダリングの削減、構造化データの実装、クロールバジェットの管理、robots.txtやnoindexを使った低価値ページの制御などは、AI時代に成果を出すための重要な技術ポイントです。
まずは「きちんとクロールされ、正しくインデックスされているか」。
ここを改めて見直すことが、これからのSEOの第一歩になります。
4. 高品質コンテンツの中心にあるのは、今も「人」

AIツールは急速に進化し、コンテンツの制作量も一気に増えました。ただ、イベント会場で多くの登壇者が共通して強調していたのは、次の点です。
「AI検索に選ばれるのは、たくさん書いたかではなく、実体験や独自の視点をきちんと伝えられている人のコンテンツです。」
コミュニティの専門家からは、AIと人が役割分担する実践的な制作フローも紹介されました。まずAIでトピック設計を行い、ユーザーの質問を整理し、下書きを作ります。その後、編集者がブランドとしての考え方や一次情報、実体験を加えて仕上げていきます。
この 「AIが下書き、人が仕上げる」 という形は、すでに多くのコンテンツチームで当たり前になりつつあります。
また、業界でよく話題になる
「AIが書いたコンテンツは評価を下げられるのでは?」
という疑問に対して、Googleの回答はとてもシンプルでした。
「AIか人かは関係ありません。ユーザーの役に立つかどうかが重要です。」

これは、Googleが繰り返し強調している E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性) の考え方とも一致しています。AIは知識の整理や情報収集を助けてくれますが、実際の経験や、そのブランドならではの立場を示せるかどうかが、引用されるかどうかの分かれ目になります。
特にAI Overviewsでは、「どこからの情報か」「信頼できる情報源か」がより重視されています。記事の中で、書き手の視点や専門的な考え、個人や企業としての経験が示されているかどうかは、AIに引用されるかどうかを左右する重要なポイントです。
逆に、すべてをAI任せにして、特徴や洞察のない内容になってしまうと、信頼を得にくいだけでなく、AI検索の中でそもそも拾われない可能性もあります。
💡 awooの視点
AIツールの進化は本当に目覚ましく、文章生成だけでなく、画像、動画、翻訳まで、品質は年々上がっています。AIを制作フローに組み込むことは、もはや特別な選択ではなく、自然な流れです。Google自身も、AIの活用を前向きに捉えています。
ただし、どれだけツールが進化しても変わらないことがあります。それは、品質が最優先であり、手段よりも目的が大切だという点です。AIを使って記事を書くこと自体は問題ありませんが、中身が薄く、意見や視点のない「情報のまとめ」だけのコンテンツでは意味がありません。
ブランドがやるべきことは、AIと張り合うことではなく、AIを使って作業を効率化し、人の時間を確保することです。そして、その時間を 視点・経験・洞察のアウトプット に使うべきだと考えています。
あわせて、コンテンツの品質をチェックする仕組みを整え、どの記事にも「考え」「正確さ」「人らしさ」が残るようにすることが重要です。
コンテンツがあふれる今の時代だからこそ、信頼感と内容の深さが、ブランドにとって最も強いコンテンツ資産になります。
5. 多言語/グローバルSEOにおいて、大切なのは翻訳ではなく、現地の検索意図

ブランドが海外市場に進出する際、Webサイトを多言語対応することはすでに当たり前になっています。ただし、本当の課題は「翻訳」そのものではありません。
今回のイベントでも、多くの登壇者が次の点を強調していました。
「多言語SEOのポイントは、言語を置き換えることではなく、現地の文化や検索意図を理解することです。」

たとえば、2日目のポスターセッションでは、ある越境EC企業が「アメリカから日本市場へ展開した際の苦労」を紹介していました。
アメリカでは単に「T-shirt」と呼ばれている商品でも、日本では、
- 丸首Tシャツ
- 半袖Tシャツ
- 綿素材のTシャツ
といったように、検索時の表現が細かく分かれます。
これは、同じ商品であっても、国や文化によって検索の考え方や言葉の使い方が大きく異なることを示しています。元のページをそのまま翻訳しただけでは、現地ユーザーの検索行動に合わず、コンテンツ施策もうまく機能しません。
また、多言語サイトでは技術面の課題も避けて通れません。
- hreflangの設定ミスにより、Googleが正しく地域別ページを判別できない
- 言語ごとのページ内容が似すぎていて、ページ同士が競合してしまう
- CDNやサーバーの設置場所による表示速度の違いが、SEOに影響する
こうした点を適切に管理できていないと、「多言語対応はしているのに、海外ではまったく順位が取れない」という状況に陥りがちです。
💡awooの視点
多言語SEOを支援する中でよくあるのが、英語圏向けにアメリカ、イギリスなどのページを追加するケースです。その際によく出る質問が、
「同じ英語圏なのに、国ごとにページを分ける必要はあるのか?」
「重複コンテンツにならないのか?」
というものです。
この点について、ポスターセッションで登壇者に直接質問したところ、答えは明確でした。
国ごとに分けて設計したほうがよい、ということです。理由は、言語が同じでも、文化背景や消費行動がまったく異なるからです。
また、海外市場に入る際は、手探りで進めるよりも、現地の専門人材に翻訳や編集、コンテンツ制作を任せるほうが効率的だという意見も印象的でした。あわせて、PRやメディア露出を活用することで、現地での認知や信頼を早く築けるという話もありました。
本気で海外展開を目指すのであれば、単なる翻訳対応にとどまらず、
- 正しいhreflang設定やサイト構造
- 各市場ごとの文化・言葉・購買行動の理解
- 法規制や商習慣の把握
そこまで踏み込んだ上で、コンテンツ戦略やキーワード設計を行う必要があります。大事なのは、どの言語を使っているかではありません。
その市場のユーザーの課題を、本当に解決できているかどうかです。
6. 画像・動画はもう「補助」ではない。複数の検索枠を取りにいく
AI検索の普及とユーザー行動の変化によって、Googleの検索結果ページ(SERP)は急速にモジュール化・ビジュアル化しています。
AI Overviews、画像や動画の表示枠、People Also Ask、ナレッジグラフ、地図、フォーラムなど、従来の「10本の青いリンク」だけが主役だった時代は終わりつつあります。

これは何を意味するのでしょうか。
もしブランドのコンテンツ戦略が、今もテキストページの順位だけにフォーカスしていると、こうした非テキスト系の表示枠での露出機会を大きく逃してしまいます。
特にAI Overviewsでは、Googleがさまざまな情報源から内容を集めて回答を生成します。対象はWebページの文章だけではなく、画像の説明文、動画の一部、レビューの要約、ナレッジグラフの情報なども含まれます。これらを統合したうえで、AIによる回答が表示されます。

そのため、コンテンツの形式が多様であるほど、検索結果で有利になりやすくなります。テキスト、画像、動画、AIOといった複数の枠に同時に表示されることで、検索結果上での存在感と影響力を一気に高めることができます。
💡 awooの視点
AI検索時代における「ブランドの存在感」とは、単に検索結果に表示されているかどうかではありません。
ユーザーに覚えてもらえているか、認識されているか、信頼されているかが重要です。その点で、画像や動画といったビジュアルコンテンツの価値は非常に高いといえます。
テキストだけの情報と比べて、視覚的なコンテンツはブランドの雰囲気や特徴を一瞬で伝えることができます。統一感のあるビジュアル、利用シーンが分かる動画、要点をまとめた図解画像などは、文章だけよりも記憶に残りやすく、説得力も高まります。
そのため、ブランドは画像や動画を「おまけ」として扱うのではなく、中核となるコンテンツ資産として設計・運用していく必要があります。あわせて、画像のalt属性や構造化データを適切に設定することで、これらのコンテンツをAI Overviewsを含む複数の検索枠で活用できる状態にしておくことが重要です。
イベント総まとめ:AI検索時代における、SEO戦略の「変わったこと/変わらないこと」

AIOやAI Modeの登場によって、検索の見た目や使われ方は大きく変わりました。それと同時に、「SEOの本当の価値は何なのか」「人とAIの役割分担をどう考えるべきか」を改めて考える必要が出てきています。
ここでは、今回のイベントを通じて見えてきた AIによって変わったこと と 変わっていないこと を整理します。
AIが変えたこと
1. 検索行動は、より複雑になっている
AIは、より長く、文脈を含んだ検索クエリを扱えるようになりました。ユーザーは、数語のキーワードを入力するのではなく、文章や質問、さらには会話を続ける形で検索します。
そのため、従来の「キーワード発想」だけでは対応しきれません。これからは、「ユーザーの行動導線(ユーザージャーニー)」や「商品・利用シーン」を起点に、どんな検索文脈が生まれるかを考える必要があります。
2. 検索結果の表示枠が、大きく増えている
AI Overviews、画像、動画、FAQ、ナレッジグラフ、さらにはCircle to Searchのような新しい検索体験まで、検索結果の構成は非常に多様になっています。もはや、青いリンクだけが主役ではありません。
その結果、SEOの考え方も「1位を取る」から「複数の枠に出る」へと変わっています。
どれだけ多くの場所に表示され、どれだけ視覚的な存在感を持てているかが、新しいSEOのKPIになりつつあります。
AIが変えていないこと
1. 技術的なサイト基盤は、今もSEOの基本
Google公式は、AIOやAI Mode、Geminiが登場しても、検索の基本構造は変わっていないと明言しています。
クロール → インデックス → ランキング
この流れは今も同じです。
そのため、サイトがきちんとクロールされ、正しくインデックスされる状態を保てているかどうかは、AIクローラーに読み取られ、引用されるための前提条件です。
特に中〜大規模サイトやメディアサイトでは、クロールバジェットの管理がこれまで以上に重要になります。robots.txtやnoindexを使い、価値の低いページに無駄なリソースを使わせない設計が求められます。
2. E-E-A-Tは、今もコンテンツ品質の基準
Googleは一貫して、「AIが書いたか、人が書いたかは問わない」としています。重要なのは、そのコンテンツが ユーザーの役に立っているかどうか です。
その判断軸として、
- 経験(Experience)
- 専門性(Expertise)
- 権威性(Authoritativeness)
- 信頼性(Trustworthiness)
いわゆる E-E-A-T は、今も変わらず重視されています。
コンテンツの中で、実体験や専門的な知見、信頼できる立場がきちんと示されているかどうかが、評価の分かれ目になります。AIによって検索の表現や体験は大きく変わりましたが、SEOの土台そのものが崩れたわけではありません。
変わる部分と、変わらない部分を切り分けて考えることが、これからのSEO戦略を考えるうえで重要だと感じました。
AI時代にSEOで成果を出すために。原則は変わらないが、やり方は進化させる

AI時代のSEOで大切なのは、人とAIの役割をきちんと切り分けることです。
どの作業をAIに任せ、どの部分に人の視点や温度感を残すべきかを理解する必要があります。そして、AIによって効率化できた時間を、視点・経験・洞察のアウトプットにしっかり使うことが重要です。
あわせて、AIツールを積極的に活用することも欠かせません。
トピック設計、下書き作成、意味解析、さらには技術的なサイト改善の自動化まで、AIはSEOの生産性を大きく引き上げてくれる存在です。
特に、ページ数が多く構造が複雑な大規模サイトでは、AIを使ってコンテンツやサイト構造をまとめて最適化できるかどうかが、大きな差になります。
SEOの原則そのものは変わっていません。
ただし、その原則をどう実行するかは、AI時代に合わせて進化させていく必要があります。
AIをうまく使いながら、人にしかできない価値を磨くこと。それが、これからのSEOで成果を出すためのポイントだと感じました。
awoo SEOエンジニアのイベント参加レポート

今回「Search Central Live Deep Dive」に参加して、特に印象に残ったのは、Google公式がAIとSEOの関係をどう説明していたかだけではありません。世界各地から集まったSEOの専門家たちが、混乱の中で方向性を探り、それぞれの答えを模索している姿を間近で見られたことです。AIの波を最前線で受け止めている立場として、強く共感しました。
AI検索について、Google公式のメッセージは非常に明確でした。
「AIは検索の基盤となる技術プロセスを変えていない。SEOは今も検索の根本である」というものです。
不安を和らげる意図も感じましたが、実際の現場では、この1〜2年はSEO担当者にとってかなり厳しい期間だったと思います。

AIO(AI Overviews)AI modeが正式リリースされて以降、実際にクリック率が落ちたサイトも多く見られます。トラフィックへの影響は、予測の話ではなく、すでに現実になっています。
そのため、個人的に一番学びが多かったのは、Google公式セッションよりも、実践型のライトニングトークでした。コミュニティの専門家たちが実例を出しながら、
- KPIをどう見直したか
- コンテンツ構成をどう変えたか
- どんな最適化を試しているか
といった話を共有してくれました。AI検索に「正解」はありませんが、誰もが試行錯誤しながら、AI時代の中で生き残る道を探しています。
こうした交流を通じて、海外のSEO環境の違いも強く感じました。
このイベントでは「多言語SEO」が何度も話題に上がりましたが、それは多くの参加者が、数十の国・地域、数百万人規模のユーザーを抱えるグローバルサイトを担当していたからです。
hreflangの設定、サイト構造、コンテンツのローカライズ、クロールバジェットの配分など、考えるべきことは非常に多岐にわたります。
今回のイベントを通じて改めて確信しました。
AI検索時代に本当に強いサイトは、技術SEOとコンテンツSEOの両方をきちんとやっているということです。
会場では、業界も文化も異なるSEO担当者たちが、それぞれのやり方で変化に対応していました。SEOに唯一の正解はありません。
大切なのは、AIをうまく使い、AIと共存しながら、変化の中でも原点に立ち返ることです。
つまり、ユーザーを理解し、その検索ニーズを本質的に解決すること。
それこそが、これからのSEOで最も重要な姿勢だと感じました。

なお、Webサイトの流入改善や、AI SEO/GEO/LLMOに関する取り組みにご関心がありましたら、ぜひフォームよりお問い合わせください。awooの専門コンサルタントがご相談にのります。