ECサイトのKPIとは?重要な指標の項目9つやKPIツリーについて解説

ECサイトの成果を測るためには、効果的な指標やKPI(Key Performance Indicator)が必要不可欠です。

EC担当者の中には、「KPIの設定方法が分からない」「ECサイトにおけるKPIの項目を知りたい」とお考えの方も多いのではないのでしょうか。

この記事では、ECサイトにおけるKPIとKGIの概要や、基本的なKPIの項目9つについて解説します。また具体的にKPI設定を進めるにあたって役立つKPIツリーも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

KPIとは

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略称で、日本語では「重要業績評価指標」を意味します。

事業目標を達成するにあたって、具体的な目標の数字を設定して、その数字を達成するためには何を行うべきかを中間目標として表します。

たとえば、「月間売上目標○○万円」という目標があったとして、ただやみくもに施策を打っても成果は出にくいかもしれません。

そこで、「アクセス数を○月までに○○万人に伸ばす」「CV率を○%上げる」など、より詳細かつ定量的な目標を設定していきます。

このようにKPIを設定して、自社が抱える課題を一つずつ解消していき、改善することで大きな目標を達成することにつながります。

KGIとの違い

KPIと類似した言葉に「KGI」があります。KGIとは「Key Goal Indicator」の略称で、日本語では「重要目標評価指標」を意味します。

企業が目指す最終的な事業目標のことで、前述した「月間売上目標○○万円」の部分が該当します。

KPIやKGIは定量的な数値にもとづいて設定することが大切です。定性的な目標だと、評価の基準に個人差が生まれてしまうため、数字を使って定量的に測定するのが望ましいでしょう。

ECサイトにおけるKPIの項目8つ

ここからは、ECサイトにおけるKPIの項目を解説します。

1. 購入率(CVR)

購入率(CVR)とは、ECサイトで購入(コンバージョン)したユーザーの割合を示します。CVRは、次の計算方法で算出できます。

購入率(CVR)= CV数(購入数)÷ 訪問者数×100

訪問者数は確保できているものの、CVRが低いという場合は、サイト内の導線設計やユーザビリティなどに改善の余地があるかもしれません。

CVRの改善策としては、次のようなものが挙げられます。

  • サイトのUI/UXを改善する
  • 入力フォームを最適化する(EFO)
  • 決済方法を充実させる
  • ランディングページを最適化する(LPO)

2. 訪問者数

訪問者数は、ECサイトにどれだけのユーザーが訪問したかを表す指標です。ECサイトの知名度を図るために最も分かりやすいKPIのひとつです。

具体的には、次の3つのような指標があります。

指標詳細
ユニークユーザー(UU)数ECサイトに訪問したユーザー数
セッション数一定期間にユーザーがECサイトに訪問した回数
PV数ECサイト内のページが閲覧された回数

訪問者数が少ない場合の施策としては、以下のようなものがあります。

▼新規訪問者の場合

  • SEO施策
  • Web広告を最適化
  • SNSマーケティング

▼リピーターの場合

  • メールマガジンやSNSでの情報配信
  • ポイントやクーポン制度の導入
  • 会員ランク制度の導入

訪問者数は、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを利用して測定するのが一般的です。

3. 平均顧客単価(AOV)

平均顧客単価とは、1人のユーザーが1回あたりに購入する金額の平均を表します。

顧客単価 = 総売上 ÷ 顧客数

購入単価を上げるためには、アップセルやクロスセルの施策によって、平均顧客単価を向上させる施策が効果的です。

アップセルとは、検討中のユーザーに対してより高価格帯の商品をおすすめする施策です。クロスセルとは、購入商品と関連性のある商品を提案することで、購入金額を引き上げる施策のことを意味します。

また、「あと○○円で送料無料です」「○○円以上で割引クーポンが使えます」のように追加購入によるインセンティブを与えるのも有効です。

4. 直帰率

直帰率とは、ECサイトの訪問者が1ページだけ閲覧してサイトを離れる割合を示す指標です。直帰率が高い場合は、主に2つの原因が考えられます。

1つ目は、ユーザーが必要な情報を見つけられなかった、導線が複雑で分かりづらかったなど、満足のいく情報が得られなかったケースです。

2つ目は、ユーザーがそのページを見ただけで満足したため、他のページに遷移せずに離れてしまうことも想定できます。

つまり、直帰率が高いからと言って、必ずしもサイトの品質が低いわけではありません。滞在時間などの他の指標と総合的に分析することが大切です。

5. 離脱率

離脱率は、ユーザーがECサイトに訪れた後、離脱する割合を示したものです。

離脱率には大きく分けて「サイト全体の離脱率」と「特定のページの離脱率」の2つがあります。それぞれ下記の計算で求めることができます。

◇サイト全体の離脱率
サイト全体の訪問数÷サイト全体のPV数×100

◇特定のページの離脱数
ページの離脱数÷ページのPV×100

離脱率はサイトによってさまざまなので、他サイトと比較することは難しく、自社サイト内の平均値や推移を比較するのが一般的です。

商品を購入した後にWebサイトを離れることも離脱率に該当するので、割合が高くても悪い要因だけとは限りません。

6. 回遊率

回遊率とは、ユーザーがECサイト内のページをどれくらい閲覧したかを示す割合のことです。回遊率は、次の計算方法で算出できます。

回遊率 = PV数 ÷ セッション数

サイトの訪問者数が高いのにもかかわらず、回遊率が下がっている場合は、ユーザーの満足度が低い可能性が考えられます。

ユーザーの滞在時間が長くなるほど、ユーザーの購買意欲や行動が増加し、売上が増加する傾向にあります。つまり、回遊率を高めることは、売上や利益アップの貢献に重要と言えるでしょう。

7. 顧客獲得単価(CAC)

顧客獲得単価(CAC)とは、顧客を獲得するためにかかる費用のことです。

広告やプロモーション、マーケティングにかかった費用など、新規顧客を獲得するためにかかった費用から、顧客の数で割ることで算出できます。

顧客獲得単価(CAC)= 集客にかかったコスト ÷ 新規顧客獲得数

CACが低いほど新規顧客を獲得するためのコストが少なくなるため、ECサイトの総利益を増やすことにつながります。

CACが高い場合は、平均顧客単価やリピート率を向上させることで数値を改善できる可能性があります。ECサイトへの集客のためにWeb広告を活用している場合、コストが膨らみすぎていないか確認しましょう。

8. 在庫欠品率

在庫欠品率は、商品の注文に対して必要な数量を提供できなかった割合を示します。

在庫欠品率が高いほど販売の機会損失が増え、売上が減少することにつながります。これにより、ECサイトの信頼性にも影響を及ぼすことにもなりかねません。

実際に、Amazonなどのマーケットプレイスでは、在庫欠品によって検索順位が低下したり、広告が非表示になったりするリスクもあります。

ただし、在庫欠品率を軽減しようとして大量の在庫を抱えると、在庫保管にかかるコストが増える可能性があります。そのため、販売の機会損失と在庫保管コストのバランスを適切に考慮することが重要です。

9. カート離脱率

カート離脱率とは、買い物かごに商品を投入したものの、決済まで完了させずに離脱する割合を示す指標です。EC事業においては、「かご落ち」とも呼ばれます。

カート離脱率が高い場合は、決済方法が煩雑であったり、送料が思ったより高かったりと、さまざまな要因が考えられます。

カート離脱率を下げるための主な施策は、次の通りです。

  • 決済手順を簡略化する
  • レビューや評価を表示する
  • 送料や支払い方法を見直す
  • かご落ちメールを配信する

ECサイトで活用したいKPIツリーとは

ECサイトのKPIを設定する際は、KPIツリーを活用するのが効果的です。

KPIツリーとは、最終目標のKGIを起点として、それを達成するためのKPIをロジックツリー構造で整理したものです。

KGIとKPIをツリーに落とし込むことで、目標や必要な指標、成果を可視化することができます。またチーム内での情報共有にも役立ち、取り組むべき施策も明確になるでしょう。

KGIから逆算して、構成要素を分解していくことで、明確なKPIを設定することができます。KPIツリーを活用するときは、KGIと関連性のあるKPIを記載していくことを意識しましょう。

ECサイトのKPIまとめ

本記事では、ECサイトにおけるKPIの項目や改善施策などについて解説しました。KPIツリーなどを用いて要素を細分化し、課題解決や改善を実行していきましょう。

自社ECサイトの目標とするゴール(KGI)によって、適切なKPIは異なります。自社の目標を明確にしたうえで、適切なKPIを設定してEC運営の効果を最大化させましょう。

また、KPIは設定して終わりではなく、定期的な見直しや改善を行い、自社の課題や必要な施策を洗い出すことも大切です。