GoogleのAI検索広告は日本で利用できるのか?AI OverviewsとAI modeの現在地

結論から言えば、日本で利用できるのはAI Overviewsの上部・下部に表示される既存広告です。
AI Overviews内の広告とAI modeの新しい広告形式は、2026年9月10日時点で国内提供が確認されていません。先行市場で何が始まり、日本の広告主は何を準備すべきかを整理します。

※本記事は、awoo Intelligence Inc.が公開した下記ブログ記事を日本語に翻訳・編集したものです。

原文:https://www.awoo.ai/zh-hant/blog/ads-in-aio-ai-mode/

日本で利用できるAI検索広告はどこまでか?

日本では、AI Overviewsの周辺に既存の検索広告やショッピング広告が表示されます。一方、AIが生成した回答の中に広告を組み込む形式は、まだ国内で始まっていません。

現在の提供状況を整理すると、次のようになります。

掲載位置日本での提供状況対象となる広告
AI Overviewsの上部・下部掲載対象検索、ショッピング、PMax、アプリなど
AI Overviews内未提供提供国では検索、ショッピング、PMax
AI modeの回答内・下部提供時期未定米国でテスト中

つまり、日本でAI検索に広告がまったく表示されないわけではありません。現時点では「AIの回答そのものに広告が入る段階には至っていない」と捉えるのが正確です。

AI OverviewsとAI modeでは検索体験がどう違うのか?

AI OverviewsとAI modeは、どちらも生成AIを使ったGoogle検索ですが、利用体験は異なります。

AI Overviewsは、通常の検索結果にAIが生成した要約を加える機能です。日本語画面では「AIによる概要」と表示され、その前後には従来の検索結果や広告も残ります。

AI modeは、最初の回答を起点に質問を重ねていく検索機能です。従来の「10本の青いリンク」を一覧する画面ではなく、会話の中で条件を絞り込みながら答えに近づいていきます。

画像出典:Google「Google 検索における「AI モード」を日本語で提供開始」

この違いは、広告の役割にも影響します。AI Overviewsでは要約に関連する商品を提示し、AI modeでは会話の流れから利用者の意図を読み取り、必要な場面で広告を差し込む設計が進んでいます。

AI Overviewsでは広告がどのように表示されるのか?

AI Overviewsの広告には、要約の外側に表示される広告と、要約内に組み込まれる広告があります。

たとえば「ソファの汚れを落とす方法」と検索すると、AI Overviewsは清掃方法をまとめます。広告の対象国では、その回答に関連する洗剤や清掃用品の商品カードが表示されます。「2026年のおすすめランニングシューズ」のような比較・購入に近い検索も、広告と結びつきやすい例です。

  • 要約の上部・下部:検索広告やショッピング広告が表示されます。
  • 要約内:スポンサー表記付きの商品カードなどが表示されます。

画像出典:Google「More opportunities for your business on Google Search」

日本で現在利用できるのは、要約の上部・下部に表示される広告です。広告の掲載は従来と同じく、オークションや検索意図との関連性によって決まります。AI Overviewsが表示された検索で、必ず広告も表示されるわけではありません。

[補足] Google Adsヘルプによると、AI Overviews内の広告は米国からカナダ、オーストラリア、インド、シンガポールなど12か国へ拡大しています。2026年9月10日時点で、日本は対象国に含まれていません。

AI modeではどのような広告が試されているのか?

GoogleがAI modeで目指しているのは、検索結果の周辺に広告を置くことではありません。利用者が質問を重ねる過程で、会話の内容に合う商品や提案を自然に示す広告です。

Googleが2026年5月に発表した主な形式は、次の3つです。

  • Conversational Discovery ads:質問に沿って商品情報や特徴を説明します。
  • Highlighted Answers:おすすめ一覧の中に関連性の高い広告を表示します。
  • Direct Offers:購入意欲が高まった場面で特典を提示します。

米国のテストでは、スポンサー表記付きのテキストリンク、ブランドロゴ、サムネイルカードなどが回答内に表示されます。広告は会話と無関係に割り込むのではなく、利用者が比較や購入に進むタイミングに合わせて提示されます。

[補足] Google日本法人は、2026年5月の新形式を米国向けの取り組みとして紹介しています。日本での提供時期は未定です。

広告主はAIの掲載面を選べるのか?

AI Overviews内の広告は、単独のキャンペーンや追加商品として販売されていません。対象国では、条件を満たす既存キャンペーンが自動的に掲載候補となります。

広告主が「AI Overviews内だけに配信する」ことも、「AI Overviews内だけを除外する」こともできません。成果レポートも通常検索と分かれていないため、AI Overviews内の広告だけを取り出して評価するのは困難です。

運用上、押さえておきたい点は次のとおりです。

  • 配信先:AI Overviews内だけを指定できません。
  • 除外設定:AI Overviews内だけを配信対象から外せません。
  • レポート:AI Overviews内と通常検索の成果を分けて確認できません。
  • 対象広告:検索、ショッピング、Performance Maxが掲載候補です。
  • 対象外業種:金融、医療、政治、成人、アルコール、ギャンブルなどはAI Overviews内に広告を掲載できません。

対象外業種でも、AI Overviewsの上部・下部にある既存の広告枠には掲載できます。ただし、通常のGoogle広告ポリシーとオークションの条件を満たす必要があります。

Googleは、複雑な検索意図に対応する手段として、部分一致、AI Max、PMax、ショッピング広告を推奨しています。ただし、AI Maxの導入だけが掲載条件ではありません。検索キャンペーンのテキスト広告も掲載候補です。

AI検索経由の成果はどこまで計測できるのか?

AI検索広告の大きな課題は、配信よりも計測です。Google Adsでは、AI Overviews内の広告と通常検索の成果を分けたレポートが提供されていません。

自然検索にも同じような難しさがあります。Discovered Labsによると、AI Overviewsからサイトへ移動しても、AI Overviews専用のリファラーは渡されません。GA4だけでAI Overviews経由の流入を正確に切り分けるのは困難です。

Discovered Labsは、Googleの広告通信からadview_query_idを確認しています。ただし、Googleはadview_query_idを公式な計測項目として公開していません。一般の広告主が標準レポートで利用できる指標ではない点に注意が必要です。

現状では、AIの掲載面だけを細かく追うよりも、キャンペーン全体のCV、CPA、売上がどう変化したかを追うほうが現実的です。新しい広告枠が国内で始まった後は、地域や期間を分けた増分テストも必要になります。

北米の成果データをどう読めばよいか?

北米では、AI検索から訪れる利用者は購買意欲が高いという調査結果が出ています。ただし、よく引用される数値は、広告、自然検索、AIサービスからの参照流入など、測定対象がそろっていません。

数字の大きさだけを比べず、「何を測った結果なのか」を見る必要があります。

公表された数値調査の対象読むときの注意点
増分売上3.4%、増分注文3.2%Measuredが分析した北米139ブランドAI Overviewsの普及前後を分析した結果で、AI広告への切り替え効果ではありません
CVR 14.2%対2.8%Discovered Labsが比較した生成AIサービス経由の流入とGoogle自然検索GoogleのAI広告と通常広告の比較ではありません
AI Overviewsの表示率87%から88.5%BrightEdgeとPeec AIが調べた、比較・購入意図を含む50万件超のロングテールクエリ一般検索や日本語検索全体の表示率ではありません
実店舗売上43.7%増Semrushなどのマーケティング関連調査を総合した北米の事例調査対象や算出方法が明確でないため、参考値として扱う必要があります

なかでも、14.2%というCVRは誤解されやすい数字です。ChatGPT、Perplexity、Claudeなどからの参照流入を含んでおり、AI Overviews内の広告をクリックした利用者だけを測った結果ではありません。

Measuredは、AIによる回答が低意図のクリックを減らし、購買意欲の高い利用者をサイトへ送ると分析しています。検索流入が減っても、売上まで同じように減るとは限らないという見方です。ただし、調査対象は北米139ブランドであり、日本市場で同じ結果が出ることを保証するものではないことに注意が必要です。

日本の広告主は今から何を準備すべきか?

日本の広告主が今から取り組むべきことは、新しい広告枠の提供を待つことではありません。商品情報の整備と、既存キャンペーンの計測精度を上げることです。

AI検索では、短い検索語だけでなく、質問の文脈や商品情報も広告との関連性を判断する材料になります。商品名、説明、価格、在庫、配送条件が不正確なままでは、利用者の具体的な質問に合う商品として選ばれにくくなります。

実務では、次の順番で準備を進めます。

  1. Merchant Centerの商品名、説明、価格、在庫を最新にします。
  2. 配送、返品、プロモーション情報を正確に登録します。
  3. 商品画像と動画の品質、枚数、種類を確認します。
  4. 検索広告、ショッピング広告、PMaxの計測を整えます。
  5. 日本語の比較・検討クエリでAI OverviewsとAI modeを定点観測します。
  6. 国内提供後はCV、CPA、売上、iROASの増分を検証します。

AI検索の時代には、クリック率だけで広告の良し悪しを判断できません。
AIとのやり取りで比較検討が進めば、サイトへ来る人数が減る一方で、一人ひとりの購入意欲は高まることがあります。
広告費の判断軸をクリック数から事業成果へ移すことが、今後の重要なテーマになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 日本でAI Overviews内だけに広告を配信できますか?

A. できません。日本ではAI Overviewsの上部・下部に既存広告が掲載対象となります。AI Overviews内の広告は、2026年9月10日時点で国内提供が確認されていません。

Q2. 既存の検索広告もAI Overviewsに表示されますか?

A. 既存の検索広告は、AI Overviewsの上部・下部に表示される可能性があります。AI Overviews内の広告を提供する国では、検索キャンペーンのテキスト広告も掲載候補です。

Q3. AI Maxを導入しないとAI検索に広告を出せませんか?

A. AI Maxは必須条件ではありません。検索、ショッピング、PMaxも掲載候補です。Googleは複雑な検索意図に対応する手段の一つとして、AI Maxや部分一致を推奨しています。

Q4. AI Overviewsが広がると検索広告のCTRは下がりますか?

A. 北米の調査だけで、日本のCTRへの影響は判断できません。AIが利用者の疑問を検索画面で解決すれば、クリック数が減ることはあります。CTRだけでなく、CVR、CPA、増分売上まで確認する必要があります。

Q5. AI Overviewsに表示された広告の成果だけを確認できますか?

A. Google Adsは、AI Overviews内の広告を分けたレポートを提供していません。キャンペーン全体の指標と増分テストを組み合わせて評価する必要があります。